[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]
第4章 嫁の理/鬼の業:第二期
白澤だ。
彼は神獣で森羅万象に通じている。
この世(実質あの世だが)で起こること、起こりえることの全てを知っているそうだ。
きっと彼ならなにかを知っているはずだと信じ、ついでに色ボケ具合に拍車がかかってるのできっとここに居るだろうことを信じて私はとにかく急いだ。
「あ、姉さん鬼灯様ん処の嫁さんじゃにゃーですかイ」
「毛玉!」
「にゃっ!わっちには小判ってエ立派な名前があるんですから、毛玉は止めてくださいよ~(チッ、こいつ悪気はなさそうだけどニャア、ことある毎に毛玉毛玉ってうるせェんだよ)」
「うん、ごめん!小判よ、白澤はどこか知ってるかね!?」
時間がたつにつれ、何かに追われているような焦りを感じ、苛立ってしまう。
「白澤様ですかイ?多分あの角の店にまだいらっしゃると思いますがねエ」
「助かる!」
ばたばたと駆け足で教えられた店へと急いだ。
頭飾りの鬼灯がジリジリと鳴る。
「変な姉さんでイ」
「だなあ、俺に聞けば1発なのによオ」
その時は視界に入らなかったが、実はいつも通り檎はゴロリと転がっていたのだ。
2人は慌てる私を黙って見送ってくれる。