[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]
第4章 嫁の理/鬼の業:第二期
そうだ
忙しそうだし、お使いを代わりに行ってこよう。
買い物メモが鬼灯の机の上にあったはず。
「少し出掛けるけど、遅くならないようにするから」
「いけません、外には亡者がうじゃうじゃ居ますし、何をしでかすかも分かりませんから」
「でも、鬼も居るでしょう。平気平気~」
「…遠くに行ってはいけませんよ」
「はーい」
オカンと子供か!昔は私が過保護なくらいだったはずなのに、今では鬼灯の方が過保護になってしまった。
夜中に厠へ行こうとすれば、疲労困憊のはずの彼も目を覚まし「どこへ行く気ですか」と寝起き低音バリトンボイスで声をかける。
酷い時は腕や着物を掴み、無言で睨み付けている。
まあ、睨んでいるのではなく、眠いだけであろう。
私は現代の地獄は統率がなされており、かなり安全に歩くことが可能であり、また、交通の便も良い所が気に入っている。
今日は白澤の処まで行ってなにか読んだり話したりして、お使いも済ませようと思った。
きっと帰ってきたら鬼灯も私に任せられる仕事が出来て喜んでくれると思うのだけれど、白澤と仲が良くないのでその点だけが気がかりではある。
まあ、今日は暇潰しが目的なのでそれらは様子を見て行おう。
チカラを取り戻す方法もわかるかもしれない。
無理でも白澤の術を学べば私にも自身で身を守る術を得ることができるだろう。
天国までは距離があるので、朧車で行くことに決める。
乗り心地は悪くないが、お喋りな朧車に当たってしまい、道中暇は潰せても疲労してしまった。