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[鬼灯の冷徹]鬼神の嫁の心得[パラレル→原作沿い]

第3章 記憶の酒瓶転がし候:第一期


部屋に着くと、雑多に置かれたそれぞれも気にはなったが、ベッドへと勝手にダイブした。
ジャラリと髪飾りが鳴り、布団に埋めた顔に鬼灯の香りが当たる。
悪いにおいじゃない。


「さあ、寝間着もご用意してあります、1人で着られますか?」

「う~ん…」


優しく髪飾りを外し、買い物袋をあさる音が聞こえる。
ムクリと起き上がり、そちらを向いてみる。

差し出された着物を見ても、触れても着付け方が曖昧な感じがした。
まあ、なんとかなるだろう。


「手伝いましょうか?」

「ううん、多分大丈夫。仕事してきなよ、帰ってきたら起してくれればいいしさ」

「そうですか、では、部屋の中は好きに使ってください。何かあれば適当に誰か捕まえて私を呼んでくだされば結構です、閻魔大王には居ることを伝えておきますので」

「はあい」


他にも軽い説明を残し、鬼灯は部屋を出る。
薄暗い部屋の蝋燭だけが揺れていた。

さて、どうするか
試行錯誤した後、汚くならないように全てを適当な感じで畳んで、椅子に置き、私は結局全裸で寝ることを選択した。
眠りに落ちるその少し前、布団に潜って思い出して笑った。

そうそう、私って羞恥心があるようでないような生き方をしていたっけなあ。
あっちに居たときは、あれもこれも恥ずかしいと思って隠し事が多かったっけ。


私は、こうして鬼灯の嫁となった。
結局、あれこれ儀式的なことは特にしなかったが、閻魔殿で寝食住処を同じくして、広く、鬼灯の嫁として認知された。
白澤とは時々会い、早く別れろと冗談めいた口調で急かされるが、それも楽しい気持ちで聞いていられた。

鬼灯は言う。
「私の嫁となったからにはいくつかの心得を守ってください、貞操は守る、無断で何処かへ消えない、変わらず私を愛する。この3つは必ず守ってくださいね」

「わかった、愛してるよ、鬼灯」








第一期、終幕
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