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【ハイキュー!!】青春飛翔論

第18章 まるで少女漫画みたいな【二口堅治】






「いえ。…では」

二口は通話ボタンをタップすると、はああ…と大きく息をついた。
ちょっとぐらいは緊張してたのかもしれない。

"交際相手といえば理解していただけます?"
部長を追い払うための出まかせだとは分かっていても、びっくりした。かなり焦った。

ーーこの展開、まるでいつか読んだ少女漫画みたい。
6年ぶりの再会ののち、彼氏のフリをして上司を追い払ってもらうなんて。
それに出てくるのに似た、キザなセリフを二口は言ったんだと思うと、ふふっと笑いがこぼれる。

ああ、バカだ。


「…なんだよ、急に吹き出して」

二口は不満げにこちらを軽く睨んだ。
通りの明かりで逆光だが、ほんのり顔が赤いのが分かる。

「ううん、堅治のセリフが少女漫画みたいにキザだったなーって」
「…るせーな」
「ちょっとだけかっこよかったよ」

ちょーっとだけね?と笑うと、顔を背けていた二口がこちらに向き直した。

真面目な顔。6年前とおんなじ。

二口の目は凄く綺麗だ。
意地悪だし、口も悪いけど、目はいつも真っ直ぐで。
バレーの時も、敵を見る目は鋭く、相手を射抜くよう。
今も、そう、私を真っ直ぐ捉えて逃がさない。




「…さっきの話の続き、していいか」


私は頷いた。



「私、ちゃんと覚えてるよ」
「当たり前だバカ」
「堅治が忘れてたらどうしよって思ってた」
「自分の発言に責任ぐらい持つわ」
「ここまで言っといて無理って言われても、私引き下がらないよ?」
「上等、受けて立ってやるよ」

ふん、と二口が鼻で笑って、口角をきゅっと上げた。
あの少女漫画の告白する場面ってこんなんだったっけ?確か、もっと甘ったるいシーンだったような。

でも、きっと結末は一緒。



「好きだ、バカ」
「…当たり前!」






「まるで少女漫画みたいな」おわり
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