第15章 膝上のスカート【国見英】
「ーーさて、そろそろ白状してもらおうかな」
「く、国見くん、」
英でしょ。と私をたしなめる声は、いつもより低くて、どこか色っぽい。背筋がぞわりと震えた。
何より、今この体勢が私を更に焦らせる。
ベッドの上で仰向けになった私と、私に跨る彼。私の頭の横についた手が、ベッドのスプリングをギシ…と軋ませる。
逃げようにも逃げられない。
いわゆる、押し倒されている、という状態だ。
電気の明かりが遮られて、翳った彼の顔がまるで別人のよう。
「俺の美咲におかしな入れ知恵をしたのは誰なのかな」
怒っているのかどうかも分からない。
私はただ自分の置かれた状況に、余裕を失っていた。
こんなことは、私は初めてで。
顔を背けると「そっぽ向かないで」と覗き込まれて、視線からも逃れられない。
「スカート。いつもより短いんじゃないの?」
「そんなこと…」
「あるでしょ。いつもは膝丈のくせに」
するっと太ももを撫で上げられる。
変な何かが喉までせり上がってきて、私はそれを必死に飲み込んだ。
「それに、何これ…香水?甘い匂いする」
そう言って彼は首元に顔を埋めた。息が当たって、ぞわっとした感覚に身をよじる。
恥ずかしくて、突き飛ばしたいのに、私よりずっと逞しい体を跳ね除けることなんて出来るわけがなくて。