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【ハイキュー!!】青春飛翔論

第2章 くだらない昼下がりの、くだらない議題について。【澤村大地】


居心地悪そうな影がいつの間にかドア付近にいる。意外と早く菅原から逃れられたらしい。
もう少しいじめてみてもよかったが、逃げられてしまっては元も子もない。仕方がないが、早めに結論付けるとしよう。

「…それよりも!あんた達はそんな下世話な話をするのは可愛い彼女を捕まえてからにしなさい!」
「うぐっ…」
「そこを突かれるのは痛いっす…」

そして、よろめく男どもを尻目に、私は先程からずっと音を消している影をびしっと指差した。

「それから大地!」
「…?!」

すると正座をしていた後輩たちが後ろのドアの方をザァッと一斉に振り向いて、ドアノブに手をかけて固まる彼らの主将に目を見開く。
彼らの主将は瞬時に自分の置かれた状況に理解したのか、顔を引きつらせた。

「君はなんで逃げるのかな?」
「あ、あはは…」

その不自然な笑いは、後輩たちにあることを勘付かせてしまったらしい。
ザワザワ。
え、澤村先輩?逃げる?もしかして美咲先輩と?でも聞いたことないぞ。いや、仲良いし、同学年だしありえるだろ。
ザワザワ。
そして、ある一つの結論に辿り着いたらしい後輩たち。もうこうなったら決定的な発言をしてしまえ。
あんたたち!と一喝。するとビクリと飛び上がって正座しなおす後輩。

「そういうとこをちゃんと理解して、休日にしか家に上がらせないあの主将を!あんたたちは見習いなさい!」
「は?!ちょ、お前っ…!」
「………………え、」













ある放課後の昼下がりの、烏野バレー部の部室。
悲鳴とも呼べる野太い声がこだました。















『くだらない昼下がりの、くだらない議題について。』おわり

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