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第17章 chapter2 ⑥ ビーチハウスと金属バット


「ったく、何でオレまで……!」
隣から九頭龍くんの愚痴が聞こえる。
「嬉しいよ、まさかボクなんかも参加させてくれるなんてね!」
反対側の隣からは、旧館から解放された狛枝くんが嬉々とした様子で話しかけてきた。
大きな遺跡の前でみんな揃って野球をする。
広い場所がここくらいしかないからって言っても、すごくシュールだよ。
「ねぇ、野球ってどんなルールがあるの?」
「おう、俺知ってるぜ。確か頭を坊主にするんだ」
「……終里、それはルールではないぞ」
私も含めて、何人も野球の詳しいルールを把握してないし、先行きがかなり怪しい。
ロケットパンチマーケットから持ってきたらしいパラソルの下に入ったまま様子を見守る。
「ムフフ……ハプニングの匂いがしますなぁ! これは特に罪木さんが転倒するフラグがビンビンに立ってるのがパンツの如く丸見えだからワクワクしちゃうね!!」
鼻息荒く、花村くんがお弁当を持って登場。
17人もいるから大量に用意されてる。ここまで運んでくるのを弐大くんも手伝ってくれたみたい。
「ミナサーン、もし具合が悪くなったり怪我したりしたら、あちしに言ってくだちゃいねー!」
そしてモノミちゃんもいる。
看護役とモノクマを追い払う役をしてもらうために誘ったら快く請け負ってくれた。
「ジャパニーズベースボールを生で体感できる良い機会です! 田中さん、もしよろしければ手解きの程よろしくお願いします」
「フッ……俺様を誰と心得るか。孤高にして氷の覇者であるこの俺様が野球などという人間の創り出した遊戯などするはずもない。もし今日この野球とやらが俺様を退屈させたのなら、歴史からそのつまらん遊戯を消し去ってやるまでよ……」
「さすがです、田中さん!」
何が「さすが」なのかよく分からないけど、一応楽しそうな雰囲気は見てとれた。
とりあえず、あの2人も初めてっぽい。
この中で野球のルールをちゃんと把握してる人なんて数人しかいないだろうなぁ。
大丈夫かな、この行事……。
『………。』
まぁ、いいや。
この世界が平和ならそれでいい。
大事なのはこの島のみんなとの思い出や絆だから、今のこの時間をそのまま大切に過ごそう。
それが本来、未来機関から私に与えられた仕事なんだし……。
「おーい、早く来いよ希灯! 野球始めるぞーっ!」
石灰で引かれた白い線の向こうで仲間達がこっちに手を振っていた。
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