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スー繝�ー弾ガん繝ュ繝ウパⅡDa1 Dream St0rys

第36章 chapter6 ④遠いあのとき


"日向創のアバターにカムクライズルだった頃の記憶をぶち込みたい"
ただそれだけのために日向くんだけをあの場所まで誘い出し、島から転移させたノートを読ませたのか。
あとモノミちゃんのマスコットは「あると嬉しいだろう」と思って付け加えたらしい。
ドぎつい。イズルくんに関する思い出と感情だけの塊みたいな存在だからか、理性もクソもない思考回路をしている。
『まったく……日向くんを犠牲にしてまでイズルくんと会いたいだなんて……。』
そんなこと許されるはずがない。
日向くんだって私にとって大切な仲間なんだから。
利己的な欲望に負けてそんなことをするべきじゃない。
『…………………………。』
それでいい……。それが正しい……。
どうせ私はこのプログラムから生きて出られないし。なおさら、他人である日向くんの未来を奪うようなマネなんかしちゃいけないんだ。
とりあえず深呼吸しよう。
『(………よし、落ち着いてきた)。』
危なかった。さっきの"私"の意思が強すぎて油断すると飲まれそうになる。
濃縮された恋慕が暴走列車のように自身の倫理を轢き殺そうとしてくるみたいで恐い。元々は私の中にあった思想とはいえ、許容しがたいものだ。
「やあ、元気?」
当惑しながら突っ立っていると、背後から能天気な声が掛けられた。
『モノクマ……!。』
振り返るとそこにはやはりモノクマがいた。
このプログラムをめちゃくちゃにした最低な相手だけど、こんな異質な空間にずっと居るとモノクマにすら安心感を覚えてしまう。悔しいやら侘しいやら。
「どうしたのぉ? 早朝に出した自分ちの生ゴミがカラスに荒らされて全部道路にぶちまけられてたみたいな顔しちゃってさ」
『ううん、何でもない。ねぇ、モノクマが来たのはもしかして私をここから解放してくれるために……?。』
期待しながらモノクマに近寄る。
モノクマはそんな私の表情を見て、嬉しそうな声で答えた。
「う~~ん、ハズレ! 」
どうやら先程と同様私をここからは出せないらしい。
がっかりする顔を見るためだけにやって来たのか?。
『はぁ……何しに来たの。』
「うぷぷ。どうせ暇してるでしょ? ぼっちの希灯サンにも見てもらおうと思って」
モノクマは私の電子生徒手帳を私のポケットから引っ張り出し、何やらいじり始めた。
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