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第34章 chapter6 ②社会科見学


「それはダメだよ。まだ"メインキャスト"が揃ってないもん」
「……メインキャスト?」
聞き返されたモノクマは軽く溜め息を吐きながら答える。
「要は……オマエラなんてのは、あいつが到着するまでの"ついで"でしかないんだよ。だから、四の五の言わずに、さっさと外の社会の勉強を始めなさーい!」
随分とぞんざいな物言いをするモノクマに数人は狼狽える。
「な、なんだよそれ……!」
今までモノクマには無茶苦茶な目に遭わされてきたが、何かのオマケとして扱うような素振りはなかったはずだ。いきなり自分達のことを誰かのついでだと明かされ釈然としない様子だ。
そんな反応を気にもせずモノクマは続ける。
「その勉強に必要な教材は、希望ヶ峰学園の中にばらまいておきました。ま、言うまでもないですが……ウソ偽りのないフェアな情報しかありません。そうしないとメインキャストに嫌われちゃうしね。という訳なので、安心して社会科見学に励んでくださーい!」
明るくそう言うと、モノクマは去っていった。その場には呆然とした生徒ばかりが残される。
「な、なんなのですか? モノクマさんの話は……」
「外の社会とかメインキャストとか……何だか、とっても嫌な感じがするよ……」
モノクマの言ったことは謎だらけだった。コロシアイをさせようとはしなくなったが、これはこれで不可解だ。
「つーか、あいつ最後までここが希望ヶ峰学園だって言ってたけどよォ……そ、そんなハズねーよな?」
「そもそも、わたし達がどうやって南の島から希望ヶ峰学園に戻ってきたっていうの? 普通に考えてありえないんだけど」
「ま……まさかジャバウォック島に希望ヶ峰学園がある訳、ないでしょうしね……」
「帰りてーとは言ったけど、こんな不気味な場所なら帰りたくなかったって!」
半ば愚痴のように今いる建物にケチを付ける。
モノクマの理不尽に振り回され続け、もはや呆れとも諦めとも取れる雑談のようなニュアンスだった。
「なんだかよくわかんねーけどよ……モノクマの言ってた卒業試験ってやつを受けて島を出たら終わりってことなんだよな?!」
自棄になったような口ぶりで左右田がモノクマの発言を振り返る。
「いきなり試験って、一体何がしたいんだろう」
「そもそも、結局モノクマとは何者なんじゃあ……? 未来機関とは違うんじゃろ?」
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