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第31章 chapter5 ④おさらい
ホテルから出た後、私はネズミー城へ向かった。
パスワードが消された石板をもう1度確認したかった。
削られてザラザラになった表面を触る。僅かな凹凸の差からある程度の数字を割り出せるかもしれない。
『…………。』
暫く調べてみたけど、どんなにやってもそれらしき数字は出てこなかった。
諦めてホテルに戻る。
今度は狛枝くんの部屋に入れないかどうか確かめた。もしかしたらパスワードをどこかにメモしているかもしれない。
たった5字とはいえ、忘れるときは忘れるものだ。自ら消しておいてパスワードが分からなくなるなんて失態は避けたいだろう。そのメモが部屋に無防備に置いてあるなんてことも有り得たりするのかも。
ほんの少しの可能性に賭けて、鍵のかかったコテージの前でやったこともないピッキングを試みたりモノクマを呼んで交渉したりもしてみたけどいずれも上手くいかなかった。
『ダメかぁ……。』
誰も居ないコテージの前で溜め息を吐いてしゃがみ込む。
これからどうしよう。パスワードは一旦諦めるしかなさそうだ。
取り敢えず、5番目の島に行って明日のおさらいをしようかな。
再度ホテルから出て、中央の島から5番目の島に繋がる橋を歩きながら以前の5回目のコロシアイのことを思い返した。
『えーっと、グッズ倉庫が現場で……狛枝くんの自殺かと思いきや裏切り者が生き残るための罠で……ボヤと消火弾、パネル、ライター……槍、毒薬。』
ブツブツ呟きながら指折りキーワードを記憶から引き出していく。
『消火弾の中身の入れ替えと爆弾の移動が今日。グッズ倉庫でトリックを仕掛けるのが明日……。』
さてどうやって食い止めるべきだろう。消火弾に毒薬を仕込むのを邪魔するか?。それとも明日使われる予定の槍や消火弾を撤去するか?。
……いや、ダメだ。一瞬の気の迷いで起こる犯行じゃないんだから、手段を変えられないように確実に止められる方法じゃないと。
また体当たりみたいな無計画なやり方にならないといいけど……。
橋を渡りきり、工場横のグッズ倉庫に向かった。ドアを開けてみると、まだ手付かずの状態でダンボールやパネルがそこかしこに置かれている。
赤いカーテンを捲って奥の空間に潜り込んだ。
明日、ここで狛枝くんが死ぬ。私はそれを阻止しなきゃいけない。