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第30章 chapter5 ③爆弾探し
隠した場所が発覚していたことを少し嬉しそうに微笑んだ後、狛枝くんは数秒で考え直し真顔で撤回する。
「狛枝、オメー喧嘩売りに来てんのか!? だったらお望み通り買ってやんよ!」
「ま、待てっ、狛枝に近付いたら爆発するぞ!!」
殴り掛かろうとした終里さんを左右田くんが狼狽えて止めた。爆弾が軽くトラウマになりかけているらしい。
「よせ、終里。殴って気絶でもしたらパスワードを聞き出せなくなる」
興奮気味の終里さんを十神くんが宥める。まだ終里さんは狛枝くんを睨んでるけど、一旦拳は下ろしてくれた。
「……パスワードを教えてあげてもいいけど、条件があるよ。条件をクリアしたらすぐに教えてあげよう」
終里さんの態度を他人事のように見つめながら狛枝くんがパスワードについて言及する。
「条件は"裏切り者が名乗り出る"こと。たったそれだけだ」
その言葉に周りがざわつく。
「ちょっとそれ……本気で言ってるの!?」
「俺達、ただ待つことしかできねーじゃねぇか!」
「まじっすか! 唯吹たちの運命、裏切り者に託されちゃったみたいっすね……!!」
キョロキョロと辺りを見回したり、泡を吹いて卒倒しかけたりしている。あぁ、また裏切り者の話題が大きくなりそうだ。
「ちなみに裏切り者は2人いるけど、もうボクに正体がバレちゃってる方の人が言いに来ても意味ないからね。ボクの目的はあくまで判明していない裏切り者を炙り出すことなんだから……あ、密告もありだよ、裏切り者さん?」
狛枝くんの気味の悪い笑みは私に向けられていた。憂鬱な気分になりながら、その笑い顔を静かに見据える。
無論、密告するつもりは毛頭ない。
「ボクは暫くここに居るつもりだから、決心が付いたら会いに来てよ。みんなの居ないときでいいからさ」
近くの椅子に座りながら狛枝くんが言った。
その言葉に、みんなはお互いを見合う。
「確かに……俺らが見てない時の方が、裏切り者も出てきやすいんじゃないかなぁ……」
「えーっ、でもどのみち吊し上げられる末路だと思うよぉ?」
「おい! 余計なこと言ってんじゃねーよ!」
色々言いながらも、狛枝くんを除く全員がレストランから出ることになった。