• テキストサイズ

スー繝�ー弾ガん繝ュ繝ウパⅡDa1 Dream St0rys

第24章 chapter4 ② 少女は夢を見る



『やっほー、また来ちゃった。』
「……またあなたですか」
…………?。
また、あの人だ。
じゃあ私、夢を見てるんだな……。
『ねぇ、ここまで来るのすっごく苦労したよ。なんせ教職員棟なんて生徒は入っちゃいけない所なんだからね。だから今日は手作りの縄ばしごで登ったんだよ。』
「そうですか」
『褒めて褒めて。』
「……あなたにしてはよく頑張りましたね」
何だか楽しそうな「私」と、無表情なその人と。
友達みたいにずっと話続けてた。
「……誉稀、あと10分程で先生方が来そうです」
『え、本当に?。じゃあ最後に………。』
そう言いながら、「私」はその人に近づいた。
「……何をしているんですか?」
『ふふふ……抱き締めてる。』
「それは分かりますが……そう言えば、誰かに抱き付かれたのは初めてです」
「私」がその人を抱き締めてる……?。
「何故いきなりそうしたに至ったのかが解りません。相変わらずあなたは僕に意味不明を与えてくれますね」
『えー?。これが意味不明だなんて、イズルくんは知識足らずだなぁ。』
その人に抱き付いたまま、「私」はクスクスと笑う。
『こうすると暖かいよ。』
そう言って、更にギュッと抱き締めた。
「……訳が分かりません」
その人が「私」に呆れたように溜め息を吐いた。
『……イズルくんは大抵何でも知ってるし、いっつも私に色んなことを教えてくれるよね。だから今回は私がイズルくんの持ってなさそうなものを与えちゃうよってこと。』
「で、僕に抱き付いてどういうつもりですか?」
『イズルくんは知らないよね?。「他人の温もり」。』
「……要りません。早く放してください」
『あはは、そう言わずにさ。……イズルくんには知ってもらいたいんだ、愛情とか友情ってやつを。』
「愛情と友情ですか………ツマラナイものですね。時間と共に薄れていく、きっかけさえあれば一瞬にして脆く崩れ去っていく……その程度のものだと思いますよ」
『えー?。工夫次第ではかけがえのないものになるよ。本場モノのプライスレスだよ。これの良さをイズルくんが理解したら……絶対無敵の希望になるかもね。』
「あなたは人の心を買い被りすぎですよ……」
「私」は楽しそうに。
その人はつまらなそうに。
別れを惜しむように僅かな時間を過ごしていた。


/ 292ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp