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第5章 プロローグ 4
さっきまで青かったはずの空や海が、今はもう絶望的なほどに黒々と濁ってしまっている。
私の背筋にザワザワとした感覚が生まれ、どんなに冷静でいようとしても沸き上がってくる不安は抑えられなかった。
それを抱え、出来る限りの速さである場所へと走り続ける。
ジャバウォック公園に集まるようにと告げたモニターからの声。
あの声は聞き覚えがありすぎて、そのせいで不安とか冷や汗が止まらない。
本当は行きたくないし、あの声の主が誰なのかすら気付きたくなかったけど、やっぱりこの状況はどうしても受け入れなきゃいけない。
私の予想だと、もし行かなかったらあの声の人が何かやらかしてくるんだと思う。
あいつの事だから何をするか分かったもんじゃない。
早くあいつに会ってみんなを守らないと。
辿り着いたジャバウォック公園には足の遅い私を追い抜いてか、もうすでにみんなは集まっていた。
「どこでちゅか? どこに隠れているんでちゅか!? 出てきなちゃい!!」
ウサミ先生が怖い顔で見えない誰かに向かって叫ぶ。
キョロキョロと辺りを見回しても、呼び出した本人の姿はない。
「ボクはここだよ」
さっきモニターから聞こえた声が、今度はモニターじゃないところから聞こえた。
次の瞬間、公園中央のオブジェから何かが飛び出した。
それは黒と白の大きなぬいぐるみだった。
片方は白くて可愛くて。片方は黒くて邪悪で。
まるで別々のぬいぐるみを真っ二つにして繋ぎ合わせたような。
『……モノ、クマ。』
体の中でふつふつとした熱いものを感じた。
「はぁーい、ボク、モノクマ。うぷぷ、オマエラ何やってんの? こんな何もない南の島で」
みんなは突然のことに驚いて、揃ってポカンとしていた。
「あのさぁ、言わせてもらうけど…………オマエラつまらなさすぎるんだよ!!」
急に牙を剥き、怒った顔になる。
「何が「ドッキドキ修学旅行」だよ。アレですか? オマエラは動物園で生まれ育った猛獣なの? 敵の一切出てこないRPGなの? 面白くないんだよ、そういうの!」
いきなり出て来て言いたい放題ベラベラと……。
「そんなオマエラの為に、ボクがこの修学旅行をもっとスパイシーなものにしてやるよ。その名も……「コロシアイ修学旅行」でーす!!」
「コロシアイ」が耳に入って頭の中で何度も反響した。
『…………許、さない。』
憎い、憎い、憎い憎い憎い憎い憎い。