第9章 【R18】二口堅治 ~Guess block~
電車に揺られて、流れ行く景色をぼーっと見送りながら、明日の部活のことをあれやこれやと考える。部長になるとマジで精神面にくる。黄金川もまだまだ全然だし。はぁ、、、とため息をつきながら茂庭さんに敬意を表した。部長すげぇな。
っ、、、ゃ、、、やめてください!!、、
遠くで女の声が聞こえたような気がして、その方向を見たけど、背の高いスーツのおっさんしか見当たらない。
気のせいか?
俺はつり革につかまってまた電車の揺れに身をまかせる。しばらくすると、また何か声が聞こえてくる。
はぁ、、はぁ、、やだ、、はな、、し、て、、
いや、気のせいじゃないだろうと思い、もう一度さっきの方向を見る。すると、さっきのスーツの男とドアの間にもう一人いるようだ。
俺は気付かれないように近くに移動すと、次第に女の声が大きくなってくる。これってまさか、、
痴漢じゃねーか?
声の主の女性は、グレーのスーツに身を包んだOLで、後ろにはスーツのおっさんが不自然なくらい密着していて、手を動かして女の身体を触っているようだった。
マジかよ。てかこれ、AVの撮影じゃないよな?
満員とまでは行かないけど、比較的混んでる車内。まだ他の人にはばれていないようだ。
どうする。次の駅に少しで着く。俺は意を決してスーツの男の手を掴んだ。
「はい、ストップー。おっさん、何やってたか分かってるからな。」
俺がドスを効かせた声で制止して睨み付けると、学生とは言え、自分より背の高い男に上から見下ろされて、おっさんはビビって別の車両に逃げていった。
『はぁ、はぁ、、、あ、あの、ありがとう、、』
「大丈夫っすか?おねぇさん、何処の駅で降りるの?」
『あと、二駅、です。』
20代後半くらいに見えるその人は、顔を火照らせてるせいか、確かに色気があって、ピッタリと着こなしたタイトスカートのスーツがエロかった。
「俺同じ駅なんで、途中まで送りますよ。」
『はぁ、、はぁ、、す、すみません。』
「いえ。」