第2章 【R18】赤葦京治 ~switch~
『ちょっ、、、!赤葦、、はなして』
「なんでですか?」
答えに困る彼女をしり目に、俺は掴んだ右手にキスをした。
『あ、赤葦、、、』
「綾瀬さん、俺あなたの事が好きなので。」
あー。困ってる困ってる。
それもそのはずだ。俺は彼女の事を好きだけど、彼女からすれば、俺はただの後輩でしかないのだから。だけどこんな事になっては、もうそんな事は関係ない。
「足とか、胸元とか、ちらちら見せて、何しに部活見に来てるんです?俺みたいなのを誘惑するためですか?」
『ち、ちがう!!そんなつもりじゃ、、、』
「まぁ、もう否定しても遅いですけどね。」
手の甲に何度もキスをすると、彼女は何も言葉も出ずに、ただただそこに立ち尽くすことしかできないでいる。
ちゅ、ちゅ、とキスする音だけが静かな部室に響いて、この空間に少しずつ自分も酔ってくる。
『あか、あし、、やめて、、よ、、、』
もう片方の手で顔を隠して必死にこの状況に耐えているように見える。抵抗しないところを見ると、嫌がられてはいないんだろうか、、、と冷静に分析してしまう自分もまたいる。
「、、、綾瀬さん、好き、、、ちゅ、、好きです、、、ちゅ、、ちゅ、、、」
手の甲から指先、掌まで、くまなくキスを落とす。愛おしい人の手。すらりと伸びた綺麗な指。薄いピンクのマニキュアが塗られた形のいい爪。今まで見ている事しか出来なかった彼女に触れているという事実。
俺の理性が吹っ飛ぶには十分すぎるくらいだった。
彼女に向き合って、椅子を跨いで座り、立ち尽くす彼女の腰を掴んで、俺の膝の上に腰を下ろさせた。
嫌でも至近距離で目が合う態勢。彼女は俺の胸板を押して抵抗して見せる。
『赤葦、放して!だ、だめだよ、ここ、部室だし!』
「部室じゃなきゃいいんですか?」
そうしてもっともこもない答えを返してあげると、また視線をそらして顔を赤らめる。俺がこれからしようとしている事をわかっている表情。
言っても彼女は俺より二つ年上で、こういう経験だって俺よりたくさんあるはずだ。だからこそ、俺は、この人に付け入るんだ。
綾瀬さんのおでこに自分のをくっつけて無理やり視線を合わせる。
「、、、、キス、しますね。」