第23章 湿気の時間
杉野「そんな事より、あの女だろ!!とんでもねービッチだな!!
いやまぁ…ビッチならうちのクラスにもいるんだけど。」
あ…確かに。
渚「ビッチ先生は職業だから…ビッチする意味も場所も知ってるけど
彼女はそんな高尚なビッチじゃない。」
前原「いや、ビッチでも別にいーんだよ。」
渚「いいの!?」
渚、驚きすぎだろ。前原も前原だ。
まあ、前原自身も女タラシだから そうなのかもしれねーけどさ。
前原「好きな奴なんて変わるモンだしさ、気持ちが冷めたら振りゃあいい。
俺だってそうしてる。」
岡野「中三でどんだけ達観してんのよ。」
と、ひなたは前原にタオルを渡しながら言った。
光「本当…結構厳しい事考えてんだな。」
前原「けどよ…さっきの彼女みたろ?一瞬だけ罪悪感で言い訳モードに入った
けど、その後すぐに攻撃モードに切り替わった。“そーいやコイツE組だった”
“だったら何言おうが何しようが私が正義だ”ってさ。」
それから前原は、ひなたにもらったタオルで拭きながら
静かに話した。
前原「後はもう逆ギレと正当化のオンパレード。醜いとこ恥ずかし気なく
撒き散らして。…なんかさ、悲しいし恐えよ。ヒトって皆ああなのかな。
相手が弱いと見たら…俺もああいう事しちゃうのかな。」
前原は目に涙を溜めていた。
…そんなこと無ぇと思うけど。