第23章 湿気の時間
そう、理事長だ。
理事長が車から降りて来て、暴力をやめるよう呼びかけた。
そして、前原の前に膝をついて屈み込み ハンカチを差し出し
理事長「危うく、この学園にいられなくなる所だったね。
君が。」
と、恐ろしい事を言った。
すると理事長は去って行き、瀬尾や土屋も去って行った。
急いで俺達は前原に駆け寄り
杉野「前原!!へーきか!?」
光「怪我してねぇか!?」
と、声をかけると 前原は俺達に気づき
前原「…おまえら見てたんかい。上手いよな、あの理事長。事を荒立てず
かと言って差別も無くさず、絶妙に生徒を支配してる。」
と、何かを悟った様に言った。
光「何なんだよ、アイツ!!すげぇムカつくんだけど!!」
前原「なんで高瀬がそんなに怒ってんだよ。」
前原は軽く笑ってそう言ったが、なんだか無理している様にみえた。
本当…何なんだよアイツら。