第1章 わたしのご主人様がえっち過ぎる件について
頭が痺れてぼんやりしてきた頃、貴久さまの唇は細い銀糸を伝いながら離れた。
「奈々花、私の服を脱がせてくれますか?」
「かしこまりました」
とろんとした目のまま返事をして、貴久さまの高そうなスーツの上着を脱がしネクタイを外しシャツのボタンを外す。
シャツを脱がすといったいいつ鍛えているのだろうと思うくらい端整な筋肉のついた体が現れる。
だって彼は仕事のとき以外は寝てるか私を弄んでいるかだと思うのに。
「おっと、やはり下はベッドにいってからにしましょうか」
ズボンのベルトに手をかけた瞬間、彼はそう言って私を軽々と抱きかかえた。
ベッドに運ばれる間も太ももやお尻を触られる。
初めて会ったときはこんなえっちな人だとは思わなかったのに…。
ふかふかのベッドに下ろされると、貴久さまは仰向けに寝転がった。