第2章 ご主人様とバスタイム(前編)
「い、いえ。貴久さまより先に入るわけにはいかないので…」
しどろもどろになりながら答えると彼はふふっと笑みを洩らした。
それからわたしの肩を掴み反対側を向かせると、洗面器にお湯をすくい背中にかけてくれた。
「いけません!それはわたしがやることです」
慌てて声を上げるが彼はにこにこしたまま止める気配はない。
「今日くらい少しは私に甘えてくれてもいいじゃないですか」
後ろから抱きしめられ耳元で囁かれると、返す言葉が出て来なかった。
腰に固くて熱いものが押し付けられているせいもあるだろう。
観念したわたしはなすがままになる。
時折、お湯をかけながら胸やお尻などを触られ足をもぞもぞと落ち着きなく動かしてしまう。