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-----フクオカファーストハイスクール-----

第3章 アヤシイ雲行き


それは今日階段を上ろうとしたときのこと。

なんと、ふらふらのチャゲが階段から転がり落ちかけたのだ。
私はすかさずその身をキャッチした。

「・・・・・・エリーっ」
チャゲは私に泣きながらすがりついてきた。泣いてたんだ・・・
今回は、あの全身で悲しみを表現していたときの比じゃない、もう心に余裕がなさそうな様子。
これはまずそうだ。

「チャゲ・・・・・・」
ひとまず話を聞くことにした。それで今、またあのときのように土手に座っている。
ただし今までと違って、チャゲがギターを持ってきていない。

噂ではチャゲが飛鳥のギターにイタズラみたいなことをしたと聞いていたけれど、
どうせ噂は当てにならない。本人から聞かないと。

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「俺、なーんも分かんない」


え?

「なんであんなこと飛鳥に言われたのか、ほんと何も分からない」

「チャゲのほうからは飛鳥に何もしてないって事?」

「うん・・・俺、なにもしてない」
なんだと。

「飛鳥のギターにイタズラしたって噂では言われてるけど・・・違うのね?」

「うん。俺、してない。飛鳥のギターに触ったことない」
噂は嘘なのね。あくまでチャゲ本人を信じれば。

「何か言われるようなことをした覚えはないんだね」

「ないけど、でもさ、飛鳥、俺のこと嫌いなんじゃないの。
自分のやりたいこと先に俺がやってて」
なるほど、それでチャゲを窮地に追い込もうと仕組んだってこと?
だけどきっと飛鳥ってそんなひどい人じゃないよね?きっと、だけど。
女にだけ優しき下心を発揮する人かもしれないし。うーん、でもそれもなさそうだなぁ・・・



いかん、分からなくなってきた。
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