-----フクオカファーストハイスクール-----
第1章 うるさいギタリスト
2年生になってクラスも新しくなり気分一新。
新しいクラスの居心地は悪くなかった。むしろ良いかも。
前から仲良くしていた女子の大半は同じクラスだし、1年生のとき話したことがなかった人とも、
すぐになじめた。男子も迷惑をかけるヤツは特に居ない。
・・・ただ、ただ、だ。
この世のあらゆる事象には、「例外」という存在がある。
上記の文の「例外」が、ここには存在する。
その名は柴田 秀之。あだ名はチャゲで、他の学年も先生も・・・ほとんどの人が
チャゲと呼ぶ。校長先生までも。
”迷惑をかけるヤツは特に居ない”の例外だ。
一言で言うと
うるさい。
その「うるさい」の内容を詳しく説明しよう。
喋る。ちょろちょろ歩き回る。歌う。それもいつも背負ってるアコースティックギターをかき鳴らし、弾き語りだ。ジャンルは流行曲とかビートルズとか、オリジナル曲とか。
超移動式無料ジュークボックスなのだ。しかも頼まれていないのに延々と歌ってる。でもこれがなかなか上手いんだよ。アレンジも上手でさ。
※説明しよう!ジュークボックスとは、レコードが沢山セットされていて、コインを入れると好きな曲を選んで聴ける、音楽の自動販売機みたいなものだ!!
それだけではないぞ。なんと2年生になって新聞部の部長に昇格した彼は、1年生の時から、
毎月発行する学校新聞の記事作りのため、
校長先生はじめ先生方や、各部活動の部長やマネージャーに自ら率先してインタビューしまくりという功績を持っていたのだ!
そりゃ学校中にチャゲの名前が知れ渡るわな。
ということで、チャゲを除いたら居心地の良いクラスってワケ。
まさかチャゲが自分のクラスに来るなんて、なんだかすごいことになっちゃったなぁ・・・