-----フクオカファーストハイスクール-----
第1章 うるさいギタリスト
チャゲは相変わらずの盛況っぷりだ。今日は新しいオリジナル曲のお披露目だとかで、いつもより多めの人だかり。
「じゃ、行きまーす!!!」
拍手と共に始まるギターの前奏。
Fのコードがたくさん入っている。さすがだなぁ。
その音楽を聴きながら、自分の席で昼寝をする。
まぁこの大音量だから寝られるはずもなく、休んでるって感じだけど。
でもチャゲの歌声はなんだか心地よいから、嫌なわけじゃない。
むしろ、声が聞けて嬉しい。
・・・近くに行きたいけど、今日は眠いから、午後の授業に備えてこうしとかないと、授業中寝ちゃいそうで。
というかキャピキャピ女子にも近づきたくないしね。だからいつも自分の席で過ごしてる。
チャゲ。
最初はただの目立ちたがりなやつって思ってたけど、
接してみたら、いいところがたくさんある。
チャゲがうるさいのは事実だろう。
確かに喋る。でも、それはみんなを明るくさせてくれる力がある。
ちょろちょろ歩き回る。でも、そのおかげで楽しい所をいっぱい知ってる。
歌う。その歌は人を集める力がある。
弾き語りのギターもうまい、でもできない人を笑ったりなんかしない。
そしてオリジナル曲だって作って歌ってるくらい、音楽が好き。
人気者のチャゲには、いつも周りに人が居る。だからコミュニケーションが苦手な自分はやっぱり近づきづらい。
でも、また二人でどっか行けたら楽しいだろうな。
でもでも、こうしていられるだけで幸せだから、これもこれでいいかな。
苦手じゃなくなっただけでもうありがたいんだから、それ以上求めてることになるな。
・・・・・・・・・
いちどはつまづいたけど、なんとか乗り切れたし、むしろ良い方向に向かってる。
私の高校2年生のスタート、
順風満帆!