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希望の花を咲かせし者

第3章 3咲目,初陣


廊下を歩いているとイリアを見つけた。

話しかけようとした瞬間、あいつは男の兵士とぶつかって尻餅をついた。

男の兵士の手を、嬉しそうに取っていた。

それを見た俺に言いようのない苛立ちが襲ってきて、その兵士に忠告した。

イリアーデ・ジャンヌに触るな、と。

自分でもなぜこんなことをしたのかわからねぇ。

ただ、そう。イリアが他の男と仲良さげに話していたり触られているのが気に食わない。

俺は話しかけることすら避けられているというのに。

やはり告白が原因か?

それにあの言葉の意味も気になる。

人を愛してはいけない、と。

なぜそんなことを言うのか、あいつの過去に関係しているんだろう。

あいつが自然と話してくれるのを待とうとはしているが、やはり苛立ちが態度に出る。

俺は気分を落ち着かせるためにイリアの部屋へ会いに行った。

そこで、聞いちまった。あいつがどうして人を愛してはいけないと言うのか。

ドアノブに手をかけたまま、開くこともせず、ただその過去に聴き入っていた。

するとしばらくして、ハンジが出てきた。どうやら話し相手はハンジだったようだ。

「リヴァイ!?どうして…」

「!!?」

ハンジが驚いた声で俺を呼ぶとイリアも俺に気づいて、目を見開いた。

そして絞り出すような声を出した。

「リ…ヴァイ…さん…今の、聞いて…」

「…全部…聞こえた」

「っ!!」

俺がそう答えると、イリアは部屋を飛び出して行った。

咄嗟に身体が動き、イリアの後を追う。

ハンジが心配そうに俺達を見つめているのがわかったが、そんなことを気にしてる暇はなかった。

イリアは宿舎の外へ出ていった。その後を追い、人気のないところまで来る。

「おい!待てイリア!」

「っ…」

イリアは俺の言う事を聞かず、走り続ける。

だが、俺の足にかなうはずがない。

俺はイリアの腕を掴み、止まらせた。
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