第2章 2咲目,入団
すっかりおいてけぼりになった私の元に、いつの間にかエルヴィン団長がいた。
「全く…騒がしいな、この二人は…」
「あ、エルヴィン団長」
「すまないね、ハンジに君を連れてくるように頼んだんだが、先客の邪魔をしてしまったようだね」
「私は大丈夫なんですが…あのお二人、止めなくてよろしいんですか?」
「放っておけばじきおさまる。私の部屋で結果を報告しよう」
「あ、はい」
私と団長はまだ喧嘩している二人を置いて、団長室へと向かった。
団長室に着くと、エルヴィン団長は椅子に座り、私は背筋を伸ばして立っている。
団長は真剣な面持ちで私を見つめる。
「さて…君の入団テストの結果だが…」
私は固唾を飲んで次の言葉を待つ。
次の言葉で…私の人生が決まる。
団長は残念そうに目を閉じる。
ダメ…だったのかな…。
でも…その口から結果を聞くまでは、諦めない。
なお、強く団長を見つめていると、彼は目を開け、微笑んだ。
「…合格だ」
「え…」
ごう…かく…。
私が望んだ、結果。
私は嬉しくて飛び上がりたい気分になった。
でもそんなことをするわけにもいかないので、満面の笑みを浮かべた。
「あ、ありがとうございます!!」
「これは君の実力だ、礼を言われるようなことはしていない。これからは壁外調査にも参加してもらう。これからもよろしく頼むよ」
団長が私に握手を求めて手を差し伸べてきた。
私は喜んでその手を取り、握手を交わした。
「よろしくお願いします!」
こうして、私は調査兵団への入団を果たした。