第2章 “エース”を連れ戻せ
驚いて月島さんの方へ顔を向けるが、月島さんは少し戸惑っているのか眉間に皺を寄せ、ヘッドホンを掛け直している。先程の月島さんの呟きを聞きつけた日向と田中先輩は月島さんに駆け寄り追及を開始する。
「えっ!?何が?!何がなるほどッ?!」
「どういうことだコラ説明しろコラッ!!」
「うるさいなぁ~~~ちょっと推察すれば分かる事デショ」
「すいさつ?!すいさつって何?!」
「・・・・・・・・・辞書引けば・・・?」
日向お前・・・・。日向の問題発言はともかく、月島さんの推察は非常に気になる。が、チキン以下の私には聞く勇気なんてあるわけねぇ。
「後デスね、あくまで僕の推察ですからネ?正しいわけじゃないんデスヨ。・・・・・まぁ当たってると思うケド」
「じゃあ教えろ!!聞かせろコラァッ!!」
「聞かせろコラァッ!!」
手慣れたチンピラですか田中先輩。日向も田中先輩の言葉の語尾を反復し、ぴょんぴょん跳ねた。何か雛鳥みたいだ。
「・・・・・それは・・・・・やっぱ言わないデス。事実かまだ分からないですし。自分で考えてください」
「何でだよー!!言えよ月島ぁー!!」
「いやデース」
「言わないとヘッドホンのイヤーパッド肉まんにするぞ!!」
「いやデース」
「「じゃあ教えろっ!!」」
「いやデース」
良いキャラしてんな月島さん。