第1章 瞳の先
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「おい影山ぁ〜。勝手にどっか行くなよなー?教えてる途中だぞー?」
「うス。すんません」
「そうだぞ影山!デカいからって調子に乗んなよな!!」
そう言った日向の頭を、影山は「うるせぇ。」と問答無用に鷲掴みにする。ギチギチと音を立てる自らの頭に、「割れる割れる!!」と慌てる日向。
藻掻きに藻掻き、何とか影山の手を引き剥がすことに成功する。日向は一息つき、また悪態の一つでもついてやろうかと影山を見上げた。が、日向は大きな丸い目を、更に丸くすることになる。
「おい影山。お前耳真っ赤だぞ?」
「…………うるっせぇ。」