第7章 おかしな烏野高校排球部
主将の眉尻が更に下がり、不安が深まった事が伺えた。主将は鴨一兄さん達を一瞥する。私も目を向けてみると、他の皆も鴨一兄さんの周りへと集まっていた。わーアイツここに馴染み始めてるぜ。腹立つわー。
主将は彼らから顔を戻すと顎に手を添え、重い口を開いた。
「いや、何となくなんだ。さっきアイツらが変に間を空けてたからさ、お兄さんに失礼だったかなーと思って」
主将良い人過ぎる。あんな胡散臭い人に気を遣ってくれるとか優しいわホント。
「主将、大丈夫ですよ。気にしないでください。寧ろ兄さんは皆のこと好きになったみたいです」
「本当か?」
「はい。というか、皆のことを嫌いになる人なんて早々いないですよ」
つーかそんな人がいたら後で路地裏だな。神様に命乞いをする程制裁を加える。本気でな。
───────ポン、ポン
「??!!」
不意に主将が私の頭に手を置き、ポンポンとあやす様にする。え、ええ?!何ぞや急に。
「え、え、しゅ、主将…?」
「いやすまん。何ていうか、手が勝手に…」
主将を見上げると、完全なる真顔で只管頭を撫でてくる。何だその悟りの境地に達したような洗練された表情は。どこで修行を積んで来たんですか。
「あ、あれ?そこの主将さんどうしたのかな~~?」
「え、どうかし、だ、だだだだ大地何してるべ??!!」
こちらの状況に気付いた鴨一兄さんが控えめに声を上げた。
それに釣られてこちらに目を向けたスガ先輩も驚愕した。おっとーこれは不味いぞー。
日向「きゃ、キャプテン?!瀬戸?!」
影山「え、瀬戸……!?」
西谷「えええええええええッ!?大地さん何してんですかあああああああああああああ!!!」
田中「ちょっ、大地さん俺らに宣戦布告ってやつッスか?!!」