第4章 猫と鴉は再び兵刃を交える
「ちなみに」
「「「「?」」」」
鳥養コーチの声にみんな視線を向ける。
「日向の好きな“小さな巨人”が居た頃が、過去烏野が一番強かった時期だが、その頃、烏野は一度も音駒に勝ってない。最後にやった時も負けてるハズだ」
皆の空気が強い気を帯びていき、私の肌がぞくりと這うものを感じる。
「負けっぱなしで終わってる」
田中先輩と西谷先輩は闘争心を剥き出した顔付きになっている。皆もどこか戦う雰囲気を纏っている。鳥養コーチは静かに続きを口にする。
「────汚名返上してくれ」
「「「「! あスッッ!!!!!」」」」
頼もしく返事をする皆に、私は武者震いのような感覚を覚えた。