第1章 瞳の先
「あの・・・主将、菅原先輩」
「ん?どうした瀬戸」
「ありがとうございます」
「「え?」」
主将と菅原先輩の綺麗な瞳がパチクリと不思議そうに瞬く。二人の視線に射抜かれて、緊張と気恥ずかしさで耳火事まで起こしそうになる。顔を慌てて下げて赤い顔を隠す。
「そ、その・・・何ていうか、私のことを考えて、緊張させないように気を遣ってくださったり、怒ったり?、とか、その自惚れかも・・・しれないですけど・・・でも、そのありがとうございます・・・」
自分でも大分場違いな発言であり、大分自惚れた発言だと思う。だが、少しでも私のことを気遣ってくれているなら凄く私は嬉しい。純粋にお礼を言いたかったのだ。しかし恥ずかしいので顔が上げられないどうしよう・・・。
────────────ぽんっ ぽんっ