第5章 何度でも
ボクがお昼寝の時間に居なかったせいで、
先生が怒られている。
センセイはボクがまもってアゲル…
「ちがう!!センセイはわるくない!」
突然響いた声に先生ももう一人の先生もビックリしていた。
「ボクが…サクラをみたくてセンセイのところにいったんだ。
だからっ…センセイはわるくない…。」
次から次へと溢れてくる涙は拭っても拭っても止まらなくて、
そんなボクを宥めようと、頭に手を置こうとしたのはボクの先生じゃなかった。
「さわるな!!」
ボクは力一杯、睨みつけてやる。
ボクの態度に怯んだもう一人の先生。
「征十郎くん。」
ダイスキな先生に名前を呼ばれると、少しだけ胸がチクチクする。
「こわいユメをみて…おきたらセンセイがいないから…。」
周りの事なんか気にせずにボクは大声で泣いた。
それを遠巻きに見ているだけのもう一人の先生。
先生はぎゅうっと抱きしめて背中をトントン…としてくれる。
この日から、ボクは「扱い難いコ」と言うレッテルを貼られた。
だけど、ボクは全然構わない。
この日から、お昼寝は別室で先生と二人きりで過ごせるようになったから。