第5章 何度でも
「、何も心配する事はない。」
「征十郎…後悔…してない?」
「ああ。お前が居ない人生など考えられない。」
「アナタは何でも手に入れてしまうほどの人なのに…」
優しく微笑んでいたの瞳に涙が溢れて、
目尻からスゥ…っと一筋の涙が頬を伝うとその後を追うように桜の花びらが舞い降りてきた。
「何故、こんな決断をしてしまったの?」
まるで自分を責めるようなの声色に胸が締め付けられる。
「二人にとってソレが最良だと思ったからだ。
何度生まれ変わっても、僕達は出逢える。
そう言う運命だ。例え…99回は悲恋だったとしても最後の恋は必ず結ばれる。」
「そうね…征十郎。」
「、愛してる。」
「私も。愛してる。」
はらはらと二人に舞い降りてくる桜の花びら。
その花びらが地面に落ちるたびに赤く染まっていく気がした。
例えようのない不安と恐怖でボクは目を覚ました。
鼓動はドクンドクン…と早くて、何よりも胸が苦しかった。
起き上がったボクは一番に先生の姿を確認した。
「センセイ…。」
そこに先生の姿は無かった。
イヤな予感がしたボクは部屋を出た。
するとそこにはもう一人の先生から怒られている先生の姿があった。