• テキストサイズ

【合同企画】舞い散る花びら

第5章 何度でも


との交際を反対された僕は二人が出会った場所に来ていた。
はで、ご両親に僕との事を反対されたようで、
落ち合う約束など交わしていなかったと言うのに…。
僕との志向は似過ぎるほど似てるらしい。
悔しいが、あの父相手に実力行使と行く程の力は未だ持ち合わせていない。

「、何故ココに来た?」
「征十郎が居ると思ったから。」
「そうか。」

はらはらと舞い降りてくる桜の花びらを見上げて、
その儚さが何の力もない己の恋の行く末を暗示している様で目が離せなくなる。

「…誰にも邪魔されない所へ行こうか。」

赤の彼は赦してはくれないだろう。
それでも、僕にはこの選択肢しか無いように思われた。
柔らかなの頬に触れるとは一瞬の躊躇いもなく優しく微笑んだ。

「征十郎となら何処へでも。」
「ご両親にも…友人にも…二度と会えなくなるが。」
「征十郎の居ない世界は何も無いのと同じよ。」
「…お前の強さはどこから来るのか…僕の生涯を掛けて探るつもりだったが。」

がその細い指先で僕の頬に触れる。
まるで生命を持たないかのような冷えた指先に僕は二人の未来に少しだけ触れた気がした。




/ 82ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp