第4章 ヤキモチ
そして4月になり桜も満開になった。
俺もサンも進級して学年が一つずつ上がって、
バスケ部には『キセキの世代』と呼ばれていたヤツ等で、
主将をしていた赤司征十郎が入ってきた。
赤司とも直ぐに打ち解けて…
だけど、俺には不満がある。
レオ姉は『玲央』
永チャンは『永吉』
赤司は『征』
なのに、彼氏の俺は『葉山君』のまま。
(なんだかな…。)
体育館のメンテの為に早めに終わった練習。
俺はその足で弓道場へ向かった。
今週は新入生の仮入部期間だから弓道部も練習が早く終わると
言っていた事を思い出して、弓道場の入り口を開けて中を覗いてみた。
すると俺と身長が同じくらいの超イケメンが出てきた。
「あ…。」
「何?」
「えっと、サン。」
「ああ。お前が噂のな。」
そう言うとそのイケメンは「、彼氏来てるぞ。」なんて中へ声をかけた。
顔を覗かせたサンはイケメンに対して「ちょっと!ヒカル!声大き過ぎ!」
なんて肩を叩いた。
二人が並んでいると美男美女カップルって感じで…お似合いだ。
サンを“”と呼んだイケメンさんはすれ違いざまに俺の肩に手をポンと置いた。
“ごゆっくり”
そう声をかけると入り口のドアを丁寧に締めていった。