第1章 そして…儚さを知る
洛山高校。
それは高校バスケット界では有名な強豪校。
そこからスカウトが来た時。
嬉しさ半分、寂しさ半分。
と離れてしまう事への寂しさで、
俺はスカウトに対して“即答”出来なかった。
だけど、がついてくると言った。
その日。
俺は担任と顧問に洛山へ進学する事を告げた。
それからと言うもの、は必死に勉強をした。
バスケット界の名門であると共に“超”がつく程の進学校。
京都府外からの受験者も多い…らしい。
「永吉、京都って桜の名所がたくさんあるんだよね?」
「俺が知るわけねーだろ。」
どこぞのガイドブックを片手にはどこか楽しそうにしている。
受験勉強の合間に、息抜きと称してこうやって偶に京都のガイドブックを開いている。
曰く“モチベーション維持”なんだそうだ。
「修学旅行で行ったきりだし、あの時は桜なんて見れなかったから楽しみなんだよね。」
「アホ…その前に合格だろ。」
「そうは言うけど、永吉は勉強してんの?いくらバスケのスカウトだって言っても、
テストとか授業は一緒なんだからね。」
「俺はヤれば出来るんだよ。」
「意外と順応性高いもんね。」
「人を世渡り上手みてーに言うな。」
軽くデコを小突いてやると、はクスクス笑った、