第4章 ヤキモチ
コンコン…
「はい。」
中からは静かな返事が聞こえてきた。
「レオ姉? ちょっと相談あんだけど…。」
勉強をしていたらしいレオ姉がメガネを外して、俺を部屋へ招き入れてくれた。
コーヒーを淹れてくれているらしい台所からは、香ばしい匂いが漂ってくる。
「コタ、お砂糖は?」
「いらねーケド、牛乳はイッパイがいい。」
表情は見えないけど笑われた気がする。
二人分のカップを持って現れると静かに目の前にカップが置かれた。
俺はいつも通りラグマットに腰を下ろした。
「それで? 相談って何?」
「ん…えっと…その…。」
恥ずかしさのあまり、なかなか言葉が出てこない。
そんな俺の様子を呆れる訳でもなくじっと静かに待ってくれる。
「告白…したくて…。」
「ゴホッ…ゴホッ…。」
俺の言葉を聞いてレオ姉が珍しく咽せた。
「ちょっと! いきなりなんなのよ…ビックリするじゃない。」
「ご…ゴメン!」
「相手は誰よ?」
「ん〜…。」
サンの名前がなかなか言えない。
心臓がバクバクして顔は熱くなるばかり。
俺は気恥ずかしさを誤魔化すために人差し指でほっぺを掻いた。