第4章 ヤキモチ
廊下ですれ違う時は挨拶を交わす位に仲良くなった。
彼女が校内一の美人サンだと言われている事は後から知った。
だから、初めて体育館に顔を出した時は
「みんなからどう言う仲なのか?」
ってスッゲー質問された。
こうして出会いの春が終わり、深緑の夏を迎えた。
弓道部が休みの日は練習を見に来てくれたりする。
お互いインターハイや合宿に練習と忙しくて
夏休みは殆ど電話かメールでのやり取りしかしていない。
そして、いつしか季節は秋に変わっていた。
一つ上のサンは修学旅行。
「修学旅行から付き合いだす人達って多いのよね。」
なんて、レオ姉から欲しくもない情報を貰って俺はソワソワしながらサンの帰りを待った。
修学旅行から帰ってきたサンはレオ姉や永チャンのお土産も買ってきていて、
俺はちょっとご機嫌ナナメ。
ウィンターカップが近付けば練習に忙しくなって、
学年が違うサンとの距離がまた遠くなる気がする。
それでもたまにお弁当とか作ってもらったりして、
みんなの羨望の眼差しに俺は優越感ハンパない。
バレンタインだってちゃんとチョコは貰った。
だけど…本命じゃない。
進級するとサンは受験生になる。
だから俺は一大決心をした!