第2章 オレの日常
付き合って一年が経とうとしているってのに、
目の前にいる彼女サマは首まで真っ赤にして俯いた。
「オレ達って付き合ってどれ位?」
「一年…デス…。」
「コレってなんかの拷問?」
「ちっ…違うよ!!」
「まぁイイケド。」と手を放してやると、あからさまにホッとした表情をした。
読みかけのラノベの続きを読もうと、ページを開く。
それを確認するとは隣に腰を下ろしてきた。
「ま…千尋、今度は何時が休み?」
「。今度“黛センパイ”っつったら罰金な。」
「え? 言ってないじゃん。」
「お前今“ま”って言ったろ。」
「言ってないってば!!」
「ハイハイ。」
ムキになるを横目に確認してオレはまた続きを読む。
ぷぅっと頬を膨らませる仕草は相変わらず可愛い。
けど、実の所そう言う甘い言葉は何も言ったことが無い。
“好きだ。”とか“可愛いよ。”なんて言えるはずが無い。
そう言うのは実渕や赤司の担当だと思っている。
…が実際、にそんな事言った日にはキレそうだけど。
オレは意外ににべた惚れだ。
そんな事、きっと誰も知るはずがない。
「今度の日曜日。昼からなら空いてるけど?」
「ホント!? じゃあさ、桜見に行こうよ!!」
そんな事だろうと思った。