第1章 プロローグ
その日をさかいに、祐介から猛アピールを受けるはめとなった私。
“いやよいやよも好きのうち”
等と勘違いしているらしく、断れば断るほどひつこくなるばかりだ。
「知り合う所からはじめませんか?」
そんなある日、突如申し受けたデート。
目の前に差し出されたのは、今流行りの映画のチケットだ。
「いや、結構です」
本音は死ぬほど行きたかったが、なにせ行く相手が悪い。友達ならまだしも、相手はストーカーまがいの男。いくら見たい映画だからと言って、 すんなりOK出せない。
「日曜の十一時に映画館で待ってるんで」
それなのに、祐介は行くき満々で、
「寝坊したらダメッスよ」
と、何を勘違いしたのか、嬉しそうに三階の廊下をはしっている。