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永遠の彼岸花

第2章 傷痕


それからまた7年
父が死んだ......いや、殺された

どうやら父に恨みがある人物がいたらしく、私と母のいない所を狙ってやったのだろう

それからはしばらく母はずっと泣いていた
しかも、私を不安にさせないためか私が寝た後に......
そして、ふと...ある事を思った
(私が、お母さんを守る)
それ以来私はなるべく母と一緒に行動し、常にナイフを隠し持つようになった。

それから3年がたった、ある夜
母が外へ行く音がしたため慌ててドアの方へ行きドアを開けようと取っ手に手をかけたちょうどその時、母が誰かと話しているのが聞こえたため手をスルッと話し静かにドアに耳を当てる

『......あの子を、真依をあなた方に売ります...それでいいでしょう?』
それを聞いた途端体の力が一瞬...ほんの一瞬抜け、何も考えられなかった
そして、胸に湧いたのは...怒りでも悲しみでもない
あのどこか懐かしい...憎しみという感情だった
手にナイフを持ったまま扉を開けた
『(何も、怖くない...)』
『...ど、どうしたの?真依?私はもう少しこの人達と話さなきゃいけないから、貴女は早く布団に戻りなさ...』
『話って...私を売る事について...でしょ?』
そう言って近づいてきた母の胸になんの躊躇いもなくナイフを刺した
母の顔は苦痛と悲しみに染まっていた
その後、男達が逃げようとしていたため前と同じように捕まえて殺した
自分が相手の血で真っ赤に染まるまで...
そして、家に戻り自分の荷物と必要なものを簡単に纏めてその場を離れようとした時、母がうっすら目を開けて
小さくごめんねと言っていたが軽蔑の眼差しで相手を見て足早に闇と静寂に包まれた森を歩いていく
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