第2章 月光の明かり
「流石に12月ともなると寒いな」
季節は12月 子供も大人も学生もそわそわし始める時期
今年ももう終わるのか そんな事を考えていると会社に着いた
「社長 今日は委員会に方々と来年からの新規制作の考案会になります その後はVBコーポレーションの役員との会食 夜は前園さんとの....」
彼は俺の秘書の 宇月 学(うつきまなぶ) 秘書としての仕事は完璧 完璧すぎるといった感じだ
毎朝毎朝一日の予定を発表し 分刻みでそれを行う その間一切無駄口は叩かない 必要最低限の会話 必要最低限の時間
トイレすら分刻みだ
「はぁ 予定はもういいよ その都度教えてくれ 昨日のパーティで少し二日酔いなんだ」
宇津木の機械的な話に嫌気がさし言葉を遮る
「そうですか でしたら酔い止めとスケジュール表をお渡ししますね」
機械的
別に心配をしてくれなんて言いはしないが社交辞令程度に 大丈夫ですか? の一言もないのかと思いまたため息をついた。
宇津木がくれた酔い止めを飲み 深呼吸をする
今日もまた一日が始まる
退屈で窮屈で憂鬱な俺の一日が