第8章 他人
テツヤside
やけに騒がしいなと思いました。
僕がいくら影が薄いからって言っても…
そんなに驚くことでしょうか?
しかもカントク?は僕の数値を見ると変な顔をしてなんか驚いていました。
みなさん失礼すぎませんか…?
そして軽い練習を終えると、メールを見てカントクの顔色が悪くなりました。
カントクは走って体育館を出て行きました。
そのあと2人の2年生が出て行きました。
僕は何気なく置いてあった鞄を掴み追いかけました。
皆さんは校門近くで止まりました。
少し覗くとさんと見知らぬ女の人がいました。
さんはその人から逃げたそうにしていました。
僕には詳しい事は分からないけれど…
何だか大変な事態だってことは分かりました。
その後は頭ではなく気持ちで動いていくようでした。
僕はさんの背後に立つと声をあげました。
「どちら様ですか!!」
思った以上に声が出ました。
「さんに…なにしようとしてるんですか。」
さんの前に居た人はとても美しい人でした。
そしてすごく冷たく…美しかった。
美しい人が一番怖いんだって初めて知りました。
美しい人は僕を一瞥すると一言言って去って行きました。
彼女は…
一体何なんでしょう?
カントクは…
知っているのでしょうか?
そしてさんは何故逃げられないのか?
全くわかりません。