第1章 prologue*悲痛
side
「何で…何で…」
全中…全国中学校バスケットボール大会。
輝かしい成績を今年も…帝光中学校は残した。
男子優勝校…
一見こんなに輝かしく見える成績も私にとっては…
「価値なんて…無いよ…」
相手チームを嘲笑うようなプレイ。
それでも勝ててしまう可笑しい現実…
「バスケは…そんなものなの…?スポーツは…そんなものなの?」
…
でも彼等は悪くは無いのだ…
生まれ持った才能。
それは他人にどうこうできるものなんかではない。
いくら他人が足掻こうとも何も出来ない。
ー圧倒的な力の前では…
「無力だ…
だったら私は…
もう…
捨てようか…」
そうだ。敵わないなら
捨ててしまえ。
逃げてしまえ…。
「もう…バスケットボール、やめる。」
お願い…
誰か助けて。