第5章 友達
「あっありがとうございます!」
「…お前に礼言われて誰が喜ぶんだよ。」
相変わらず酷い奴だ。
大河はそう言うと教室を出て行った。
それよりっと渡された紙切れを
開いてみる。するとこんなことが書かれてあった。
[さっきはごめん。身勝手な行動をして。]
その言葉を見たら泣きそうになった。
刈真は自分のせいだと思ってる。
ちがう。
悪かったのは全部私なのに。
自分に優しくしてくれた人を
自分から突き放したんだ。
「…おい。」
後ろから大河の声がした。
「…お前とっとと帰れよ。
目障りだしうぜぇ…。」