第23章 さあ!海へ!!
長いようで短かったバイト生活を
終えた私たちを待っていたのは、
みんなが楽しみに待っていた
夏休みだった。
今日は、終業式。
体育館で校長先生の
話を聞いているときのことだった。
隣の翠が、
「いよいよだねぇ」と
嬉しそうに言う。
私はそれに応えようと
元気よく頷いた。
バイト先での事件については
あれから一切触れていない。
きっとみんな、
私のためを思って
何も言わないのだろう。
実咲と奈菜美の2人は、
店長によって退職を宣告されたようだ。
最後に会った時、
2人は私を見て何も言わずに
只深いお辞儀をして去っていった。
思い出すと、
本当に不思議な日々だった。
翠「大河たちのとこは、
結構楽しかったらしいよ。」
沙「そうなんですか」
翠「うん。
琴音ちゃんと美紀の仲も、
なんか一層深まったんだってね。
大河が嬉しそうに言ってたよ」
翠の話を聞いて、安心する。
大河たちは、私のような
思いをせずにバイトを楽しめたようだ。
胸を撫でおろすと、
私と翠は一緒に微笑みあった。