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「 水色の革命 」

第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ







皆は真剣な顔を
したまま、動かなかった。




沙「連さんが、あんな顔を
  した原因は、私なんじゃないかって、

  そう思ったんです。

  そう、そう思ったら、
  いじめのことをばらさなければ
  良かったんじゃないかって。」




「…」





いつの間にか、
私は話す言葉にブレーキが
効かなくなっていた。



思っていたこと。



言葉。





全てが、喉の奥から
外へ出てこようと這い上がってくる。






沙「実咲さんだってそうだったっ
  あんな風に彼女の
  人生が悪い方向へ向かってしまうのなら

  私がいじめのことを
  皆に言わなきゃ良かったんだってっ」







そう、







沙「奈菜美さんのあの
  悲しそうな顔、私は
  見たくなかった。あんな顔に
  させちゃったのは誰だろうって、

  私じゃないかってっ
  彼女も私が口を出さなければ
  不快な気持ちをせずに済んだのに…っ」








私が…












沙「皆、皆が
  私のせいで不幸になってるっ」












私が…








皆が不幸になるなら…
























































「私が、ひとりで
   我慢すれば良かったんだ。」








話終わる頃には、
頬に涙の跡がついていた。


吹いてくる風が、
その跡に触れるたびに冷たくなる。




どうして…



こうやって簡単に泣いちゃうのかな…?







ほんと…馬鹿みたいだ…っ




























栞「馬鹿なの?沙織ちゃんは。」










栞鳳が、
可笑しそうに私を見ていた。


その目は、
決して笑ってなどはいなかった。











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