第22章 ✝バイト戦記✝Ⅲ
―――――Pm 7:48
奈菜美は途方にくれていた。
サービスデーであった今日は
いつもより何倍も働かなくてはいけないし
入っている人数も少なかった。
そのためベテラン並である
奈菜美と実咲はバイトに指示を
送り出さなきゃいけないこともあり、
とにかく忙しい日なのだ。
だが、途中から
実咲が急用で帰ったと聞き、
肩をガクッと落とした奈菜美。
忙しい仕事が実咲の分まで
付け足され、帰り道ではもうヘトヘトだった。
奈「はぁ~…なんで実咲帰っちゃったのぉ~?」
重たい足を前へ押し出し、
深い溜息をついた。
もう真っ暗な辺りには、
色んな電灯で照らされている。
奈菜美は帰って寝たいと
いう憂鬱な気持ちを抱きながら
近道の路地裏へと入っていった。
高いビル同士に挟まれた
少し異様な空間。
まっすぐ前を見れば、
路地裏先にあるお店などの電灯がちらついている。
奈菜美はゆっくり ゆっくりと
足を進めていった。
その途中。