第19章 ✝バイト戦記✝
私が…ムカつくから…?
そんなふたりが
腹を立つようなこと、私は
やった覚えは一度もない。
実「あんたさぁ。
いっつもウチに来て、
看板店員の連さんと話してるけど…
どーゆーつもり??」
沙「…へ?」
実咲は、私を
汚いものを見るかのような目で睨んでくる。
私は…連になにかしたのだろうか…?
沙「あのっ…私…
連さんになにかしましたか…?」
消えそうなほどか細い声で問いかける。
すると、奈菜美が舌打ちをした。
奈「知らん顔してんじゃねーよ。
連さんに色目使って誘惑してんだろーが?」
・・・は・・・?
私は、さらに理解できなくなった。
連を誘惑している…?
そもそも誘惑ってなんだ…?
わからない…。
わからない…っ
実「それと、あんたと一緒に
入ってきたあの銀目君。」
沙「!っ刈真君!?」
奈「あ、刈真君って言うんだー♥
名前までカッコイイーじゃーん♥♥」
沙「…っ?」
私は、喉の奥が詰まる感覚がする。
実「その刈真君にも
色目使ってオとしたんでしょ?
ホンット、嫌な女よねぇ~?」
奈「かわいそーな刈真君…。
私なら、彼をもっと幸せにできるのにぃ。」
奈菜美が、
寂しい兎のような声をだす。
…気味が悪い。
私はそう思った。