第18章 フード店の危機!
その沙織達を、
店の隅の方で見ていた人がいた。
「なによ。あの女。」
「突然入ってきたと思ったら、
ウチの看板先輩と仲良くお喋りしちゃって。」
同じフード店の店員。
一人は長いフワフワとしたロングヘアー。
もう一人は、コンパクトなお団子の女性。
どちらも、きっと
沙織と同年代の学生だ。
「しかも、あの子と一緒に入った
銀目の男の子。ちょーイケメンじゃん!?」
「うわぁ~。ふたりのイケメン
かっさらって何が楽しいのかねぇ?」
「あの子…。ずっと前から
先輩が会うの楽しみにしてた子だよ…っ!」
「えっ…嘘っ!」
ふたりは、
沙織の顔を遠くから覗き込む。
その幸せそうな顔を見るだけで、
ふたりの心にはそれぞれ
嫉妬 と 羨ましさ を刻みつけた。
「ちょぉーっと、お遊びしちゃう?」
ロングヘアーの女は、にやりと笑った。
「ふふっ あんたも好きねぇ?」
怪しい笑みとその魔の手が
迫っていることを
まだ、
沙織は 知らなかった。