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「 水色の革命 」

第17章 信じてるから笑うんだ






沙「…どうして…帰ってこないの?」



刈「え…家に帰っていないのですか…?」



神は、私達の言葉に
瞼を閉じた。



神「…俺…は…。
  お前…といちゃ…ダメ…。」


沙「そんなの!誰が決めたのよ!!!?」



私は、神に向かって叫んだ。
刈真は、私を哀しみの目で見つめる。


ぐわっと圧し掛かる感情は
自分で押さえつけられるほど
小さいものじゃなかった。



神「…。俺…決めた…。」


沙「じゃあ…帰ってきてよっ…」



次第に、呼びかけは涙声へと変わった。




沙「…私…。寂しかったんだよ。
  ずっと…ひとりで…。ねぇ…?」



神「…。隣…いるのは…大切な人…。」


沙「えっ…?」



神は、ゆっくりと
刈真を指さした。



刈「ぼ、僕ですか…!?」


神は、頷く。



神「…刈真…ちゃんと…守ってくれてる…。」


刈「!は、はいっ!
  僕は、ずっと沙織を守るんです。」




刈真の言葉に、
神はさらに優しい笑みを見せた。



神「…だから…大丈夫…。」



沙「…っだけど…。」



神「俺…お前…見てるから…。」


沙「!!」


神「いつでも…側…いる…」



私は、涙がこぼれてきた。
もう 今日はこれで何回目だろうか?

刈真は、そんな私に
綺麗な白いハンカチをくれた。

神は、刈真の前にいつの間にか立っている。
そして、言った。




神「…沙織…。頼む…。」

刈「…はいっ。絶対に守ります。」





神は、天使のような笑顔を最後に
目にも止まらぬ速さで、
真っ黒な闇の中へ消えていった。













沙「…。ありがとう…。お兄ちゃん…。」

刈「ありがとうございました…。」











私達は、
皆がやってくるまで、
ずっと、広い星空を見つめ佇んでいた。












刈「綺麗だね。」









沙「うん…。」


















その時、
ひとつの星が流れる。

私は、ゆっくりとお願い事をしていた。





『毎日の幸せが 


    誰かの奇跡へと繋がりますように…。』






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