第16章 そこにいたのは置き物会長
夏祭りが終わり、
またいつもの日常に戻った私達。
そんな私達を待ち構えていたのは
期末テスト
という名の地獄だった…。
翠「うわ~んっっ課題多いよぉ~!!」
翠がペンを持ちながら
期末への不満をブチまける。
私はそれを聴いて頷いていることしか出来なかった。
刈真は翠のことなんか気にせず、
せっせと課題を終わらせようと打ち込んでいた。
翠「あーあ…学校の図書室でやるのもいいけどさ。
ここでやるのってなんか張り切れないんだよねっ」
刈「屁理屈言わないでくださいよ。
ほら、手が進んでませんよ。」
刈真が翠のノートをトントンっと叩く。
翠は「う~」と嘆きながら
ノートに打ち込み始めた。
確かにこの暑さだ。
勉強に集中できないのも無理はない。
(私だって…翠さんよりノート真っ白…)
ふたりに気づかれないよう、私は溜息をついた。
この図書室はエアコンが壊れていて使えない。
この前、どっかの男子生徒が
遊び半分で消しゴムを投げ合っていた時、
誤ってエアコンの中に入ってしまったとか…
なんともふざけた理由だ。
そんなことの為にエアコンが犠牲になったとは…
私は、下唇をぐっと噛みながらペンを持った。